本書は、パナソニック株式会社(松下電器産業株式会社)の創業者である故松下幸之助氏が生前に残された仕事、マネジメント、経営、人間学などに関する言葉を一日1ページという形式で記載したもの。「経営の神様」とも称された同氏のことであるから、私も本書を手に取る前は、「これは経営者向けの本なのかな」と思っていたのだが、なかなかどうして、本書には、全てのビジネスパーソンにとって非常に有益な言葉が並んでいる。
- 「志を失わず地道な努力を続けることこそが大事である。」
- 「人間はいつか必ず死ぬ。だけど、死ぬ瞬間までは永遠を生きるつもりでベストを尽くす。」
- 「サービス精神を事欠いてはならない。いっさいが社会に対するサービスから始まる。」
- 「必要なのは、謙虚な心持ちの上に生まれてくる確信である。謙虚さを失った確信はもはや慢心である。」
この人はあまり学歴の高い人ではなく、住み込みの丁稚奉公という立場からキャリアがスタートしたらしいが、どうしてこんなに深く、重みがあり、心に響く言葉を生み出せるのかと、不思議に思うくらいだ。それほど本書の言葉はビジネスパーソンにとって、毎日を過ごすためのより良いヒント・指標になりそう。
現在は、まだ1回目の通読中であり、全体のまだ2割ほどしか進んでいないのだが、この先、何回も何十回も繰り返して読んでいきたい。 私の息子はまだ3歳だが、いつか彼が就職して社会人になったら、本書を就職祝いとしてプレゼントしたい、そう思わせる1冊だ。