今週のお題「最近やっと〇〇しました」
1.たまたま本棚を整理していると・・・
ここのところ、自室の本棚が無秩序状態なので、この週末にやっと整理整頓をしていた。不要な本を処分したり、配置場所を変えたり。そのうち見つけたのが株式会社秀和システムの以下の書籍。私は、秀和システムの「〇〇がよ~くわかる本」シリーズをたびたび読んでおり、その分野の入門書としては非常にわかりやすい。もう処分してしまったが、前職時代には他にも建設業法や知的財産法なども読んだ事がある。

※入門書としてはいずれもわかりやすいのが特徴。
その中堅出版社の株式会社秀和システムだが、7月4日に自己破産したというニュースにを知って大変驚いた。その一方で「ああ、やっぱりな・・・」と冷静に納得した私。今回はそのあたりを掘り下げていきたい。
秀和システムは、もともとコンピュータやビジネス系の中堅出版社だが、2021年に元東証一部上場の船井電機株式会社を買収して、大きな注目を浴びた。船井電機といえば、売上4000億を計上したこともある元上場企業。しかし、資金繰り悪化により2024年10月に船井電機は倒産。これは昨年の大型倒産として帝国データバンクなどでも大きく取り上げられていた。実は倒産の経緯も何やらうさんくさい面があるのだが・・・。
そもそも私は、2021年に船井電機買収の報道を目にした時点で、大きな違和感を覚えていた。出版社が家電メーカーを買収するという異色の組み合わせは、どう見ても普通ではない。業種もまったく異なるし、シナジーには程遠いはず。買収が発表された当時も「このM&Aは本当にうまくいくのか?」という疑念が拭えなかった。結果的に、その懸念は予想通り現実のものに。もっとも、親子そろって経営破綻するまでは予想できなかったが・・・。
結局のところ、秀和システムの経営陣の無謀なM&Aが両者の命運を狂わせたのだろう。その結果、現場で真面目に働いていた従業員たちは、何も知らされないまま失業することになってしまった。これほど気の毒な話はない。M&Aには華やかなイメージがつきまとうが、その裏にはこうした致命的な落とし穴が潜んでいることを改めて痛感させられる。
2.愛読書を生み出した出版社への思い
冒頭に述べたように秀和システム自体は、「〇〇がよ~くわかる本」シリーズなど良書を世に生み出してきた。冒頭に紹介したように、私は、企業法務担当者として、秀和システムから出版された法律や契約書系の書籍をそれなりに読んでいる。難解でとっつきにくい法律をイラスト入りでかみ砕いて解説しており、私も重宝していた。こうした良書は、ひとえに現場の編集者や執筆者、制作スタッフの努力の賜物。それにもかかわらず、ワンマン経営者による無理無謀なM&Aの巻き添えとなり、多くの従業員が職を失う羽目になったのは、誠に痛ましい話・・・。クチコミサイト(OpenWork)で同社の情報を調べると、かねてより待遇面の不満が語られていたようだが、それが真実であるならば、経営の問題はすでに社内に兆していたのかもしれない。
※結局のところ、規模を問わず会社は経営者の舵取り次第。
優れた書籍を世に送り出してきた企業が、誤った経営判断ひとつでこのような不幸な結末を迎える。出版業界の構造的な課題もさることながら、やはり経営の舵取りがいかに重大かを示す象徴的な一件となった。引き続きマスコミによる全容解明を待ちたい。
👆ちなみに、自宅で私が購読中の2冊がこちら。これも秀和システムの書籍。
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