企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは16年目を迎えました。

【転職】栄枯盛衰の象徴 船井電機の衝撃的倒産/20年近く前に私が企業法務担当者に応募した会社の終焉

1.世界の「FUNAI」が倒産

先日、元東証一部上場企業の船井電機株式会社が462億の負債をかかえて倒産したニュースを知って驚いた。
 

biz-journal.jp

 
船井電機は最盛期には売上高4000億の業容を有したグローバルメーカー。特に北米向けのテレビでは高いシェアを有していた。紆余曲折があって2011年に秀和出版に買収されて今後の動向が注目。もっとも、出版社が電機メーカーを買収したところで、一体何のシナジーがあるのだろうかと不思議に思っていたが・・・。とはいえ、元上場企業だし、まさか倒産することはないだろうと楽観的に考えていた。例えば、本日現在でも同社のHPはまだ公開されているが(倒産会社なのにHPが非公開となっておらず、現場の混乱ぶりがうかがえる)、事業報告書によると自己資本比率は54.5%もあり、財務基盤は相応程度に形成。にもかかわらず、倒産したのはキャッシュ不足だったのだろう。

 

kigyouhoumu.hatenadiary.com

 

クチコミサイト(Openwork)を読むと、同社についていろいろな事が書かれている。やはりここ数年は将来を不安視して退職する社員も一定数いたようだ。そういえば、私の前職企業にも船井電機から転職してきた人が一人いた。当人とはほとんど話をしたことはなかったが、その人は先見の明があったかもしれない。
 
そういえば、もう20年近く前の話になるが、私が初めて企業法務の仕事に従事するために、転職活動を行った際、転職エージェントから「アメリカ市場で高いシェアを有する非常に有望なメーカー」として船井電機を紹介されたことがあった。もっともその時点での私は法務実務未経験者だったので、応募しても書類選考でアッサリと不合格に終わる。
 
このように船井電機に門前払いを食らったが、あれから20年の間に複数の企業を渡り歩いて企業法務担当者としての実力を身に着けて、現在は某企業で法務コンプライアンス部門のプレイングマネージャー(上級管理職)を務めている私。そんな私がこうして船井電機の倒産のニュースを知ることになろうとは(そして、それをネタにしてブログの記事として書くことになろうとは)人生とはつくづくわからない。まるで平家物語のごとく「栄枯盛衰」「諸行無常」を体現しているかのよう・・・。

2.自分で認識していない超常能力!?

不思議な話だが、私が過去に法務部門に応募を検討した(場合によっては応募しても不合格だった)会社は、その後になって倒産や合併など「不幸な結末」を迎えたケースが一定数見受けられる。今回の倒産劇で、船井電機もそのレパートリーの一社となってしまった。比較的転職回数が多い私としては、そのような会社に入社しなかった我が身の幸運を喜べばいいのだろうか、それとも氷河期世代特有の危険感知能力(?)に感謝すればいいのだろうか。しかし、よくよく考えてみると映画「呪怨」みたいで、個人的にはかなり複雑な心境なのだけれど・・・。
 

 
 
何はともあれ、船井電機で勤務していた約2000人の従業員の大半はすぐにでも再就職活動を開始するだろう。同社に何人の企業法務担当者が存在するかわからないが、どうか頑張ってほしい。