1.豪華俳優陣が競演する作品
先日BS番組で放送していたのが、こちらの映画である。ベン・アフレック、クリス・クーパー、ケビン・コスナー、トミー・リー・ジョーンズというアカデミー賞受賞の豪華俳優の布陣を興味を引かれて鑑賞してみた。
<あらすじ> コングロマリットのGTXは、不況のせいで株価が落ち、大株主に会社を買収されないように、株価をあげる策を練る。その結果大幅なリストラを行い、株価の上昇をはかることになる。GTXのセールスマネージャーであるボビー(ベン・アフレック)は、12年も会社に尽くしてきたにも関わらず、リストラの対象になってしまう。たたき上げの年配社員、フィル(クリス・クーパー)も同じくリストラの対象に。社長の右腕で人格者の、ジーン(トミー・リー・ジョーンズ)は、何とか社員のリストラを止め、会社を立て直す方法を考えようとするが、自分もリストラされてしまい呆然とする。妻と子供2人の家庭をもつボビーだが、買ったばかりのポルシェや家を手放すつもりはなく、生活のサイズダウンを受け入れることができない。大工である義理の兄(ケヴィン・コスナー)に、現場に来るように誘われてもプライドが邪魔をして、なかなか出向くことができない。しかし働いていないことの負い目やストレスから、次第に家族にあたってしまう。仕事がすべてと思っていたボビー。そんな挫折を味わう夫を支える妻と子供たち。周囲の人々に支えられ、ボビーは一人の人間として徐々に本当に大切なことに気づいてく――。(Amazonの紹介より引用)
本作はリーマンショックを発端とした世界同時不況に起因する企業リストラをモチーフにした映画だが、ビジネスパーソンにとって、人ごとではなく、身につまされる思いになるのではないだろうか。本作では、いつまでも続くと思っていた優雅な生活がある日突然失われる怖さと淡々と描いており、それが逆にリアリティを感じさせる。 主人公は、豪華な家や車を所有するエリートビジネスパーソンであったが、失業によってそれまでの生活が一変してしまう。慣れない再就職活動を続けていく中でプライドもズタズタに傷つき、家も車も手放すことになる。一方で、主人公の妻は現実派で、生活スタイルを切り替えて節約生活を送ることを提案しており、女性の強さを感じさせられた。本作では、主人公とその家族だけではなく、同じ境遇に遭った同僚達の姿も丁寧に描いており、リストラをきっかけにした様々な人生模様が繰り広げられることになる。唯一の救いは物語が希望のあるエンディングを迎えることか・・・。
2.リストラの実態とは
かくいう私自身は、同世代に比べて転職回数は多いものの、幸いなことにこれまでリストラによる失業を経験したことはない。転職するに際しては、いずれも次の仕事を決めていたので…。従って、ハローワークにはまだお世話になったことはないのだが、利用経験者の話を聞くとなかなか大変らしい。失業保険をもらうためにも、講習会に参加したり、求職活動を行っている旨を報告したりと、様々な手続きが要求されるのだという。
本作冒頭では、外国企業らしく、前ぶりもない容赦なきリストラが行われていたが、日本でも外資系企業では、リストラ対象者を別室に呼び出してリストラを宣告した上、身の回り品をもって退社を強制させる「ロックアウト型解雇」を行っている会社もあると聞く。
3.まとめ
本作を鑑賞すると、仕事があることのありがたさを改めてひしひしと感じさせられる。仕事があってこそ、自分や家族を養うことができるし、自分自身を成長させることができるのだから…。そのようなわけで、ビジネスパーソンにとってなかなか考えさせられる映画なので、興味を持たれた方はレンタルして鑑賞してみてほしい。