企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【企業法務】相談内容を図解化して相互認識に役立てる/当事者・モノ・カネの流れをきちんと把握する

私は、社内クライアントから法律相談を受けた際に、必ず行うことがある。それは、当人から話を聞きながら、相談内容のポイント(5W2H)を手元の用紙に図解化するというもの。例えば、自社がA社に商品Xを100万円で販売し、その代金を受領している場合、以下のとおり書き記していく。

 

               →販売(商品X)

            当社         A社 

                ←¥100万 

                

要は、当事者やその間でやりとりされるモノやお金の流れのを矢印で図示するのだ。さらにその周辺にも関連する情報を書き加える。 法務リスク・マネジメントで最も重要なポイントは、企業法務担当者がその案件に関する事実(fact)を正しく把握することにある。その上で、関係法令や判例をリサーチし、リスクを特定・評価し、その対応策を複数検討した上、最も有効な策を実行に移す。事実把握はそのスタート地点といえるもので、これが誤っていると、てんで見当違いの対応策を検討するハメになり、そのリカバリーには少なからずのコスト(時間・手間)が生じてしまう。

従って、企業法務担当者には、当該案件に関する事実を正確に把握しなければならない。そのためには、社内クライアント当人から、(当人が見落としているポイントも含めて)正確かつ十分な情報を引き出さなければならない。その一助になるのが、図解であり、相互理解を深めるためには非常に役立つツールである。

ちなみに、私は、この図解を対面による打ち合わせ時だけではなく、相談者が遠方の事業所に所属している場合にも積極的に活用している。例えば、遠方の社内クラアイントからメールや電話で相談があったとする。その場合、紙に自分が認識している当事者関係を手書きで記入し、それをスキャナーでPDF化した上、当人にメールしてから電話で打ち合わせを行っている。やはり、メールによる文字や電話によるミーティングだけでは、うまく意思疎通できないことがあるからだ。 このような方法は、非常にアナログなやり方だが、幸いなところ、社内クライアントには「相談時間が短くて済む」とおおむね好評。もちろん、可能ならば、WordやPowerpointで見栄えの良い図解を作成するのが望ましいが、役員会や社外に出す資料でもないならば、スピードを重視するべく、手書きで十分だと思う。