企業法務担当者のビジネスキャリア術

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【書評】鈴木直人「ドルアーガの塔3 魔界の滅亡」を28年ぶりに再クリアする/28年前にこのような完成度の高い娯楽作品が存在していたことに改めて感服

1.国産ゲームブックの名作
もう2年以上も前のことになるが、以前に本ブログにおいて国産ゲームブック「ドルアーガの塔」(鈴木直人著)について取り上げたかと思う。その記事の内容は、1986年に東京創元社から発売されたオリジナル版に加筆修正したリメイク版が2006年以降に創土社から再販されているというもの。 

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あれからかなりの時間が経過してしまったが、この週末にようやく最終巻である「魔界の滅亡」をクリアしたので、今回はそれについて触れてみたい。 

魔界の滅亡 (ゲームブック・ドルアーガの塔)

魔界の滅亡 (ゲームブック・ドルアーガの塔)

 

シリーズ最終巻である「魔界の滅亡」はパラグラフ数がオリジナル版の741から791に増加されており、大幅にアレンジが加えられている。従って、過去にオリジナル版を遊んだユーザも新鮮な感覚でプレイすることができる。(ただし、私の場合、なんせオリジナル版をクリアしたのが28年前なので、どこがどう変わったのかよくわからなかったが) 以前にも触れたとおり、このゲームブック版「ドルアーガの塔」は、国産ゲームブックの最高傑作とも言われており、以下のような特徴を有している。

・1980年代に外国産のゲームブック「火吹山の魔法使い」から国内でもゲームブック人気が広がったが、当時のゲームブックは一方向がメインで、ストーリーを進めると、同じ場所に逆戻りできない仕組みとなっていた。しかし、本シリーズでは、まさしくコンピュータゲームのように、双方向に同じ道や部屋に進むことができ、行動の自由度が非常に広かった。しかも、一度イベントを経験すると、再度同じイベントを繰り返すことがないように、例えば、「●の鐘」というアイテムを登場させて、同じ部屋に入る時でも分岐パラグラフを生み出すことにより、ストーリーが破綻しないように工夫されている。
・コンピュータゲーム版はひたすら1階から60階まで迷路を動き回る単調なものだったが、ゲームブック版では様々な趣向が凝らされており、読者を退屈させない工夫が盛りこまれている。例えば、塔内には闘技場あり、飛行船の船着場あり、町の市場あり、と様々なイベントが待ち受ける。
・個性を持ったキャラクターが多数登現れて、主人公であるギルと様々なドラマを繰り広げる。特に第2巻で仲間になる魔道士メスロンは、読者の間でも大きな人気を博し、メスロンを主人公としたサイドストーリー作品が出版されたぐらいだ。(もちろん、私も全て買い揃えていた)


というわけで、週末に少しずつ時間を設けて、童心に帰って方眼ノートにフロアをマッピングしながらせっせとプレイしていた。(その姿は妻や子供に不審がられていたが・・・)おそらくこれらの作品を購入するのは、私のように子供時代にプレイしたことがある人がほとんどだろうが、ゲームブック未経験者の人も興味があれば一度読んでみて欲しい。

2.まとめ
今の若者は携帯用ゲーム機やスマートフォンなどで気軽にゲームを楽しめる。これらは、かっこいいBGMも流れるし、戦闘や選択肢の計算もコンピュータが自動で行ってくれる。このような「便利な娯楽」に慣れた人にとっては、ゲームブックは「時代遅れの面倒臭い代物」に映るかもしれない。しかし、子供時代にゲームブックにハマった経験がある私にしてみれば、この「不便で手間がかかる娯楽作品」もユーザの想像力を刺激してくれる乙なものだ。


さて、今回ようやくドルアーガ三部作をクリアした私だが、今度は鈴木直人氏のもうひとつの傑作メスロンサーガの1作目の「パンタクル」にチャレンジしようと考えている。こちらもドルアーガと同じくマッピングが必要で、週末に少しずつしか進めることができないが、クリアしたら本ブログでネタとして取り上げることにしたい。