企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【企業法務】スシローに景品表示法違反(おとり広告)で措置命令/今後予想される法務部門の動きとは!?

1.回転寿司の運営会社に措置命令

先日、ニュースで大きく報道されたからご存じの方も多いはず。回転寿司大手の株式会社あきんどスシローに対して、消費者庁から景品表示法違反に基づく排除措置命令が下された。
 
テレビCMで宣伝した商品が実際に店舗で提供されていなかったため、「おとり広告」と認定されたようだ。具体的には、当初ウニやカニの商品の広告を流していたが、早期に商品が売り切れてしまい、実際に提供されていない状態のままCMが流されていたとか。
 
※下のCMはあくまで参考用として引用。
 
スシローは、我が家でも何度か利用したことがあるが、本社が大阪府吹田市の江坂にあるとは知らなかった。ちなみに、株式会社あきんどスシローの持株会社は、東証プライム上場企業の株式会社FOOD & LIFE COMPANIES。江坂といえば、かつて格闘ゲームで有名な旧SNKの本社や東急ハンズなどがあり、学生時代には私もよく訪れたことがあり、かなり懐かしい。

 
日経ネットで株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの決算情報を確認すると、2021年9月期の業績は、売上高2408億、営業利益229億を計上するなど好調な数字。投資対象としては、悪くないと思う。
 

2.法務担当者も募集中

ちなみに、今回の不祥事以前から、DODAでは同社の法務担当者の求人が掲載されている。その目的は、今後の海外展開を見据えたもので、職務内容は契約書・コンプラ・知財などかなり幅広い。様々な経験を積むことができそう。法務部門の組織構成は、4~5名となかなかの規模。
  • 契約書の作成、審査
  • 取締役会の運営事務局
  • 株主総会の運営事務局その他持株会事務局等の株式実務に関わる業務
  • 知的財産権(特許・商標・その他ブランド維持管理)に関する業務
  • 社内規定管理
  • 適時開示や有価証券報告書作成等の開示業務
  • コンプライアンス(教育研修、プライバシー関連、景品表示法関連)
  • M&Aや合弁、事業提携等のサポート業務
  • 海外子会社を含む子会社管理業務
  • 各種法律相談対応
  • 紛争係争対応

 

doda.jp

 
自社のIRで告知しているように、今回の不祥事の原因は、現場で在庫切れが生じているにもかかわわらず、そのまま広告が流されていたことにある。いわば広告だけが独り歩きで、在庫状況とリンクしていなかった様子。今回の問題を受けて、社内の関係部門が協力して、再発防止の仕組みを整備していくのだろう。法務部門も再発防止策の立案(マニュアル・教育研修など)で関与すると思われる。

以前にも取り上げた吉本興業と同じように、今回の不祥事は、法務的な要素が多分に占めているので、法務部門の腕の見せ所。私も過去に「自社に問題発生➝対応策検討➝仕組みの実行」という仕事を何度か経験しており、その苦労はよくわかる。
 

kigyouhoumu.hatenadiary.com

 

ただ、個人的には、スシローには何度かお世話になっているし、関西企業として親近感を感じているので、今後の動向を興味深く見守っていきたい。