少し前に法務相談で何度か打合せしたことがあるAさんから退職のあいさつメールを受け取った。
噂によると、Aさんの次の勤務先は決まっているらしい。このタイミングで退職ということは、今月一杯は有給休暇を消化して、おそらく来月から新しい会社で働くのだろう。Aさんのメールを読んで思い出したのは、私が転職活動を行って内定を得たのがちょうど2年前の今頃。従って、有給休暇消化中のAさんの今の心境はよくわかる。新しい会社に対する期待と不安、そしてもう後戻りはできないという決死の覚悟・・・。
※転職に迷いはつきもの。しかし、それでも前に進まなければならないのが人生。
このブログで何度か触れているように、私はアプリ「瞬間日記」を15年近く毎日入力しており、当然ながら2年前の転職活動の記録も詳しく残されている。これらを久しぶりに読み返してみると、当時の様子がまざまざと蘇ってくる。妻への説明・職務経歴書の作成・転職エージェントへの登録・SPIの勉強・書類選考と面接などを四苦八苦しながらこなしていた。働きながらの転職活動は大変だったが、「本来のキャリア(企業法務)に立ち返る!」という目的で取り組んでいたので、それなりに楽しかった思い出もある。ただ、SPIには散々苦しめられたので、あれだけはもう二度とやりたくない(マジで)。
ちなみに、当時は「現職に在職しながら転職活動を行い、内定獲得してから退職届を提出する」という当たり前の戦略で活動。家族を養っている立場上さすがに衝動的には退職できなかったので。もちろん転職活動をしていることは社内の誰にも告げなかったし、通勤時間や昼休みを利用してスマホで転職エージェントに密かに連絡していた。さらには会社をズル休みして面接を受けに行くなどなりふりかまわずな一方、妙なスリルと背徳感があったもの。内定獲得後に退職届を前職に提出した際、上司や同僚には「そんなそぶりがなかったので驚いた!」と言われたが、こちらも自分の人生がかかっているので必死なんですよ・・・。
一方で、徹底したリアリストの私は、転職活動で満足のいく結果を出せなかった場合、「転職活動を中止し、やむなく現職に残る」という最後の選択肢も考えていた。従って、ある程度の長期戦も覚悟していたが、転職活動自体は50日ほどの短期間で終了したのは幸運にも恵まれた。このときほど「運とタイミング」をまじまじと実感したことはない。これで一生分の運を使い果たしたとしても悔いはないし、あの当時の一連の流れは神がかっていたと今でも感じるぐらい。
👇2年前にエージェントから受信したヘッドハントのメール。このメールが私の人生を大きく変えた。
👇その約40日後に同じエージェントからもらった内定通知のメール。それまでの苦労が報われた瞬間(涙)
そんなこんなで転職活動の結果、本来のキャリア(企業法務)に立ち戻った私が思うのは、人生を充実させるためには、やはり仕事が大きな要素を占めているということ。「自分の得意スキルを活かせる仕事をする」「自分が好きな仕事をする」「プレイングマネジャーとして裁量をもって仕事をする」という事がどれほどありがたいか本当に骨身に沁みた・・・。このように自分の人生観を変えてくれた転職活動はやって良かったとしみじみと思う。
もちろん転職というカードは誰でも人生で無限に使えるわけではない。この数限りある「切り札」をいつどのタイミングで繰り出すかで、当人の人生は大きく変化する。もちろん転職だけで全ての問題が解消するわけではなく、入社後の行動や運もそれなりに重要で、やはり転職とは本当に難しい。これは私のようなベテランレベルの転職経験者(?)でさえそう感じる。
いずれにせよ、同じく転職活動を戦い抜いた同志として「(2年前の私のように)新しい道に進むAさんの今後の人生に幸あれ!」とエールを送りたい。