高校時代に世界史を学んだことについては以前にも触れたかと思う。私はそれをきっかけに歴史好きになったクチ。
先日、たまたま本屋で世界史をテーマにしたビジネス書を見つけたので早速買って読んでみた。
本書のテーマは、「歴史を体感し、その流れや意味を理解し、自分の置かれた状況と照らし合わせた上で、そこから人生訓を汲み取ろう」というもので、著者は「歴史は人生教訓の宝庫」と述べている。なるほど、言われてみればそのとおりかもしれない。特に他人の失敗から学べる点は多々ある。 本書では、ナポレオン、ハンニバル、ビスマルクなどヨーロッパ圏の偉人や、上杉謙信、豊臣秀吉、徳川家康などの戦国武将のエピソードや人生訓が紹介されている。
そして、中国史からは後漢末期から三国時代に活躍した蜀の初代皇帝である劉備と魏の軍師である賈詡(かく)が取り上げられている。劉備はともかく賈詡は、三国志ファンでなければ知らないマイナーな人物。私が本書で一番気に入ったのが、この賈詡のエピソードだ。ダイヤモンド・オンラインにおいて、この章が全文抜粋されているので、以下のとおり紹介しておこう。
上記で説明されているとおり、賈詡は、後漢末期に一時期曹操と敵対する地方軍閥の張繍(ちょうしゅう)に仕えており、自らの策略によって曹操の息子を討ち取るほどの智謀を有する。しかしその後は曹操に帰順し、魏の参謀として活躍する。曹操が築き上げた魏は三国時代で最も大きい国家として繁栄し、国家が安定期に入った後も、賈詡は自らをうまく処して大臣クラスまで出世。しかし、賈詡はその後も驕ることなく謙虚に振舞い続け大往生したという。
生え抜き組ではない外様の立場(しかも、過去に主君の息子を謀殺している)からキャリアをスタートして、そこまで上り詰めるには、単に頭脳が優秀だけではなく、他人との関係をうまく調整する処世術にも優れていたという証だろう。

これと対象的なのが、同じく曹操に仕えた参謀である荀彧(じゅんいく)や揚修(ようしゅう)だ。荀彧は、曹操が地方軍閥として頭角をあらわした頃から曹操に仕えて、その覇業を助けていたが、魏王になろうとする曹操と意見をたがえるようになり、晩年は不遇であったという(一説には自殺したとも言われている)。一方、揚修は賈詡や荀彧に匹敵するほどの智謀を誇る人材であったが、曹操の考えを先に深読みするなどの振る舞いが目立ち、曹操の怒りを買って誅殺されてしまう。
賈詡という人物を現代ビジネス風に解説すると、過去に転職歴が多いながらも、最後に入社した会社でコツコツと実績を上げて社内との人間関係も配慮しつつ、うまく身を処して重役クラスまで出世したというところか。特に周囲の妬みや恐れを回避しつつ実績を上げるという行動原理は、現代のEQにも通ずるものがある。私自身も転職歴が多い企業法務担当者であり、社内では様々な相談を持ち込まれる企業参謀的な立場で行動することもあり、賈詡には親近感を感じないでもない。
やはり歴史は面白いし、ためになる。他者の成功談や失敗談から学べるものは数多いし、それは今も昔も変わらない。それらをいかにとりこんで自分の人生において活用するかが学びの醍醐味といえるかも。
