今年一番の話題は新型コロナウイルスだが、それ以外にも特に目立ったのが芸能界(直近ではアスリートまで及ぶ)における不祥事の多さ。
不倫・薬物・痴漢・アル中・・・。共通点は彼らが元の業界において一定の成功をおさめている(もしくは、過去におさめていた)ということ。それがただ1回の過ちでそれまでのキャリア・名声・評判(場合によっては家族も)を失ってしまう。目先の刹那的な快楽を満たしたとしても、ひとたび転落すると、その後の人生で待ち受けているのは「茨の道」だ。
私が思うに、人生というものは順調な時こそ危うい。従って、日頃から自分の欲(=刹那的な快楽)に飲み込まれないように自己管理しなければならない。以前にも触れたとおり、人生の成功者と失敗者を分けるものは、自分をコントロールする力(=継続的な克己心)。
考えてみれば、私が古典の名言集を読んだり、日記を書いて日々を振り返ったり、手帳で目標管理を行うことは、自己管理の一環。
もちろん、長い人生では誰しも失敗の1つや2つはあるだろう。これが10代や20代に遭遇した失敗ならば、逆にそれをバネにして今後の人生に生かすことができるかもしれない(私自身も20代に某法律系国家試験に挑戦して失敗した経験があるが、それを乗り越えて今がある)。しかし、ある程度年齢が進んでからの大きな失敗はその後の人生において「致命傷」となる可能性がある。
また、努力や運によってひとたび成功しても、それを維持し続けるためには、当人の人格や人間力が問われる。そういえば、芸能界に限らず、過去に政治の世界でも、
- 到底実現不可能な出張計画をたてることにより、出張費用を着服したことを指摘されて、その釈明会見では号泣した地方議員
- 日常的に秘書にパワハラ言動を行っており、相打ち覚悟の被害者によって一部始終を隠し撮りした録音データをマスコミに暴露された国会議員
- 妻が妊娠して、「国会議員にも育児休暇が必要だ!」と表面上は一応イクメンぶりをアピールしながら、実は影でコッソリと芸能人と不倫していた国会議員
などのトンデモ政治家が存在したが、国民の代表者として精錬潔白さを求められる立場でありながら、(おそらく当人の人格的な問題のためか)自らをきちんとコントロールできずに最終的には破滅している。しかし、これは「身から出たサビ」で、自業自得としか言いようがない。
これらの失敗事例から得られる教訓として、「つまるところ人生において長期的な成功をおさめ続けるならば、能力だけではなく人格や人間性も磨き続ける必要がある」というのが私の持論。そして、世間(学校・会社)はその方法までは親切に教えてくれないので、結局は自分の人生において「自分磨き」を継続するしかないのだろう。
かくいう私自身も「酒・女・ギャンブルでは絶対に失敗するまい!」と固く戒めており、スマホのタスク管理アプリでリマインダーを設定した行動指針を毎朝に確認しているぐらい。
世の中には「人の振り見て我が振り直せ」という格言があるように、今回の転落劇を芸能界だけの他人事としてとらえるのではなく、自分自身に対する教訓とするべきだろう。