先日、コロナ氷河期について触れたと思う。ここ最近になって、それを実感する出来事が続いているので、いくつかを取り上げたい。
<その1>
先日、仕事帰りに駅前のケーキ屋に立ち寄った時の話。店内に入ると、ショーケースにおいて展示されているケーキの数が非常に少ないので、違和感をおぼえる。しかし、よく見ると店内に「8月31日をもちまして閉店します」というお知らせが。
これは言うまでもなく新型コロナウイルスによる経営不振が原因なのだろう。この店は4月の非常事態宣言が発令された際には休業していたが、その後は通常営業していたのに・・・。
<その2>
神戸市の三ノ宮の北側には古くから東急ハンズ 三宮店があり、私も学生時代に何度か訪れたことがある。
しかし、今年の12月にこちらも閉店するという。もともとコロナ以前に訪れた際に人が少ないなあ、とは感じていたが・・・。
<その3>
5月に民事再生を申請していたレナウンが一部の事業を他社に譲渡した後、清算される見込みだという。
レナウンといえば、かつてファッション業界の名門ブランドとして一世を風靡していた。私が子供の頃は、テレビCMでレナウン娘がよく流れていたのが懐かしい。(今でもYouTubeで検索するとヒットする)
そんなイケイケだった同社だが近年はユニクロなどのファストファッション勢に押されまくって業績は悪化。親会社である中国企業とのトラブルなども記憶に新しい中、新型コロナウイルスによって、文字どおりとどめをさされてしまった。70~80年代はファッション界のリーディングカンパニーだったが、盛者必衰・諸行無常というべきか、まさかこのような結末を迎えるとは・・・。
実は、私は学生時代にレナウンの子会社が取り仕切っていた展示販売会での短期アルバイトによく行っており、レナウンとは少しだけ縁がある。場所はインテックス大阪などが多く、昼食と交通費込みで日給9,000円と比較的悪くない条件だった。当然ながらその子会社も清算されるのだろう。
今回紹介した飲食・小売・アパレルの3つの破綻事例は、「周囲の環境変化に適応できないものは滅びるしかない」という厳しい競争原理が改めて浮きぼりになった。当然、この原理は会社や組織だけではなく、私たち個人にもあてはまる。しかし、個人ができることといえば、現在と将来の環境変化の動向に注意を払いつつ、時代の流れとニーズを見定めて、自己の能力開発を継続していくしかない(あとは腹をくくって運まかせ?)。
先日のニュースでもGDPの大幅悪化が報道されたように、新型コロナウイルスによる景気悪化は、これからますます顕在化していくだろう。本来ならば、今頃の時期は東京オリンピック終了の余韻にひたっているはずなのに・・・。2020年は日本国民にとって本当にとんでもない厄年となってしまった。